『ルイーダの酒場』は,ドラクエに登場するあの酒場を六本木に具現化したコンセプトバー.外をうろうろしていると,「旅人の方々ですか?」と声をかけられ,level20以上であることを確認された後「マヒャドブルー」(800G)他を注文し,パスタに「パルプンテ」の呪文を唱えて紫色の澱粉をふりかけていただく.先払いのお会計は「愛と信頼のゴールド銀行」にて.「ただの布切れ」で手を拭いていると,ルーラを使ってルイーダの弟子が登場する...
ルイーダの弟子のトークが,かなり洗練されている印象を受けた.例えばメイド喫茶に比べて「共通の話題」が分かりやすい.コスチュームも「ルイーダの酒場」のウエイトレスそのものなので,「給仕」を受けるという意識よりも「コミュニケーション」の方に目が向く.
「ドラクエ」として劇場化され,ところ狭しと記号化された空間は,そこにいる人たち=ぼくら旅人を「演技者」にしてしまっていたように思う.ディズニーランドがそうであるように,パルコまで続く公園通りがそうであったように,そこにいる人たちもまた,その「舞台」を構成するための重要なアクターでありアクトレスとなるだろう.ぼくらはそういった場に期待される役割を演じるために=役割を消費するために,こういった場に出向いている.ドラクエの衣装は着ていかないまでも,ドラクエの知識にあふれた店員さんとオタク的なドラクエ話をすることで一定の舞台を作り上げる.単に受動的にモノを消費するのではなく,主体的に振る舞うことで劇場化,舞台化すること,このことが快楽を生む.
