モバイル社会シンポジウム:ユースカルチャーの生態系

複数のオーディエンスが実況中継をtwitter上にダダ漏れさせてくれる、On/Offともにモバイル社会研究所のシンポジウムとしては珍しい雰囲気が醸されていたように思います。朝からの雨で萎える中、広い会場を埋め尽くして下さった方々、無限にありがとうございます!


パネルセッションの実況中継:
http://search.twitter.com/search?q=%23msri



あらためて『電脳コイル』には、モバイル社会の、そしてそれだけじゃなくわたしたちの認識や知覚の捉え方に対して再編を促すタネが織りあわされていることに気付かされた。


言語や記号といった「心理的なツール」を開発して、それ越しに(のみ)見ることのできる現実世界を生きてきた私たちが、いまやモバイルテクノロジー越しに現実を見るようになっている様を『電脳コイル』は如実に表してくれている。


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#私のプレゼンでも用いた写真だけれども、アキバのヨドバシそばのマックでは、PSP越しに主に狩りをして楽しんでいる人々も少なくない。バーチャルを通してコミュニケーションをとっているのが自然であり、電脳メガネの1つのアラワレだと思われる。


磯さんは「仮想現実は数万年前からあったと言えるのではないだろうか」と述べていたが、磯さんの発話を私なりに解釈すると上記のようになる。日常的に、私たちは様々な(自分たちで作り上げてきた)ツールを用いて現実をデザインしようとしている。何かツールをデザインするということは、違う世界の見えを提供することだとも言えるかもしれない。



パネル1後半のテーマは「リミックス」として、MAD/AMVを軽く視聴することからはじめてみた。お題はLeave Britney Alone!



熱狂的ブリトニーファンのクリスが、PVなんかでマスコミにたたかれまくっているブリトニーの姿をみて、「もうほっといて!」というメッセージを自分撮りしてyoutubeにあげる。瞬く間にそれを引用したMAD/AMVが作成され、どんどん広がっていく。




しまいには、ただの熱狂的ブリファンのアマチュアの叫び元ネタとしたコマーシャルが制作されている。




若い人が手にすることが多い最近のケータイ小説やゲームやプリクラやMAD/AMVやらの「遊び方」や「意味」の議論が面白い。プラットフォームは共通のものとして多くの人が共有しているけれども、その上でどうやって「個性」をだしてやろうかと手練手管を見せつける。


『電脳コイル』でいえば、電脳メガネで遊ぶのはどの子供も一緒だけれども、ダイチの黒客クラブやフミエのようにハッカーとして生きようとする様がそう。


プリクラでもケータイでもポケモンのようなゲームでも、みんなおなじプラットフォームに生きながら、そこからどうやって「はずれる」ことで、教室やコミュニティで得るポジションや、他者との関係...といった「社会的なことがら」を手触り感のあるものにしようとしている。



またMAD/AMVは、それを作って楽しんでいる主にアマチュアにとっては、コミュニケーションをとるためのコンテンツである。アマチュアコンテンツを評価・分析対象とする場合、コンテンツだけを見てその出来の善し悪しから語るのは性急かもしれない。


アマチュアが作った(どうしようもない作品も数多く含む)リミックスコンテンツは、そういったMAD/AMVのプラットフォームで楽しめる人々のコミュニケーションの道具でしかない。ソーシャルコンテンツであり、作品の出来不出来どうこうということではないのかもしれない。


MADであれ同人誌であれ、二次創作≒リミックスは、その作品の周辺知識を共有していることが愉しみの前提である。こうしたプラットフォームを共有し、そのコンテンツをちょびっとだけいじって、僕はここが面白いと思ったよ!と話者に返している、そんな形でリミックスの文化的実践を捉えてみた。


これに関連して、磯さんの「引用元を探す人がオタクと呼ばれる人である」という定義が、とてもおしゃれだと思う。磯さんのあの落ち着いた味のある声で言われると、ビンビンきた。



壇上にあがってトークをしていると、全体としてどんな流れでどんな筋で話していることになっているのか、ほとんどキャッチアップできないということにはじめて気付いた。自分も会話に混じって話しているはずなのに、全くもって会話の流れを追うことができていない。


一方でフロアの方々はトーク内容をデコードしてくださっていたようで、何か筋が見えていた方も少なからずいたようだ。これまた不思議な体験。


#詳細なログもとれていないので断片的なまとめにしかなっていない。twitterでログをとってくれていた方々、ブログにまとめて下さっている方々に感謝しつつ記事を読んで、ようやく「こういう筋のセッションだったのか」と理解できた...