疑似同期

先日、年度末のNTT docomoの報告会のためYRPに行ってきた。

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報告会の中でのテーマの1つに、「街における疑似同期」があった。疑似同期ということばは、濱野智史さんがニコニコ動画の分析において用いているもの。



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ネット上で動画を観るという行為は、《客観的》な時間の流れから見れば、各ユーザーが自分の好きな時間に・自分の好きな動画を(=オンデマンドに)視聴するという、「非同期的」な行為である以上、基本的にライブ感を生み出すことはできません。これに対し、ニコニコ動画は、動画の再生タイムラインという「共通の定規」を用いて、《主観的》な各ユーザーの動画視聴体験をシンクロナイズすることで、あたかも同じ「現在」を共有しているかのような錯覚をユーザーに与えることができるわけです。
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常に同期的な、もしくはべったりした出会いを強く望んでいるわけではない、とはいえコミュニケーションへの希求はある...そんな今日的なコミュニケーションの様式を、ニコニコ動画のような疑似同期メディアは支えてくれる。

ニコ動に書き込むことは、自分の好きなときにコミュニケーションをとることができ、そのくせ他の「同じ感覚」を持つ人々とのつながりも体験できる。自分が面白い!と思って「wwwwwww」と書いた部分に、他の人も同様に書いている。他の人が書いている箇所に、自分も書いてみる。...こうして同じ感覚の人どうしのつながりが直接ではないけど体験できる、そんなアーキテクチャの生態系がニコ動の面白さの1つとも言える。

この疑似同期的なつながりの形成、つながりの面白さは、地域メディアにも援用できるのではないだろうか。自分が住まう地域には勿論関心がある、でも、自分が自主的にアクションをおこしたり、毎週末決まった時間に地域活動に参加するのは難しい。

でも、例えば誰かが地域で残した何らかの記録、データで、自分がなんとなく興味があるものを手にすることができるような仕掛けがあったらどうだろうか。街歩き用のpodwalkなんかは、まさに地域における聴覚を通した疑似同期の例の1つかもしれない。

誰かの「発見」した地域情報に触発されて、自分もそれにのっかって地域で情報を発信してみる。極めてニッチなサービスでビジネスにもならないけれども、疑似同期の地域メディアを考えてみるのは興味深いと思う。