塗師斌先生の退職を祝う会

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2009年3月31日に、塗師斌先生が27年間勤めた横浜国立大学教育(科学)部心理科を退職される。18歳でこの心理科に入学した私は、かれこれ17年間、塗師先生にご指導いただき、またことあるごとに激しく遊んでいただいた。

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横浜国立大学の教育文化ホールで行われた最終講義「国大心理科27年を回顧して」、そしてヨコハマランドマークタワーにおいて開催された退職記念パーティに参加した。

最終講義では、塗師先生のご専門であり、卒業生との「共通言語」でもある心理統計がトピックの1つとなった。1992年当時は入学時から心理学専攻として受験していたため(現在は2年生から専攻が分かれる)、入学直後から心理学専門の必修授業を受けることになる。その1つに塗師先生の心理統計の授業がある。

内容は(当たり前だが)数学で、心理学を実践していく上で、統計の考え方がいかに重要であるかを知ることになる。これまで私も力不足ながら心理統計の授業を担当させていただいてきたが、そのベースは塗師先生の授業にある。

最終講義の中で、無限に懐かしい「課題」が出た。

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「乱数表から4個の1桁の乱数を無作為に選び出してその平均を求めることを50回繰り返しなさい。そしてその50個の平均の平均と標準偏差を求めなさい。次に、乱数表から9個の乱数を選び出して、同様なことを行いなさい。さらに今求めた4個(N=4)の場合と9個(N=9)の場合の違いを考察しなさい。」

この課題に(少なくとも私は)今ではほとんど参照することはない「乱数表」を使ってあたる。乱数表の任意の箇所から4つ/9つ選択し、ひたすらに平均を算出する。エクセルだったら1分の作業を、windows95以前の手計算時代にひたすら実施する。

「母集団」も「標本平均」の概念もない大学1年生が、課題を通してこれら概念の意味を知ることになる。

またいかに塗師先生が麻雀に長けている点、そして名だたる心理学者を助手時代に(麻雀で)なぎ倒してきたかも、実物の麻雀ノートを引き合いに言及されていた。日頃の遺恨を麻雀ではらすという話(勿論冗談で)が非常に面白かった。

会場を移動してヨコハマランドマークタワーの宴会棟にて退職記念パーティ。

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塗師先生はかねてから、「自分のための式典」ではなく「自分を出汁にした同窓会」として卒業生修了生が集まってもらえればとおっしゃっていた。塗師先生の人柄があらわれているが、その人柄ゆえに各世代の非常に豊かな人の集まりが実現されていた。

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宴はランドマークタワー70Fのシリウスに移動しても続く。

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塗師先生を慕うOBOG、そして現役生や先生方が一同に介し、みな楽しそうだった。それを目にする塗師先生が、また楽しそうだった。「万感の思い」とはこの日何度か塗師先生が口にした言葉だが、参加者もみなそれぞれに塗師先生の姿を刻み込んだだろう。

すごい学者が国大を去るけれども、同時にすごい学者が歴史に残ることになるのではないだろうか。

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夜遅くに研究室にいる私をファミレスに誘い出して下さったり、昼ご飯を食べたり、突発的な宴会なり...といった何気ない日常が懐かしいし、同時に寂しい。

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塗師先生、本当におつかれさまでした。そして、また今後もことあるごとにお会いできれば幸いです!どうぞよろしくお願いいたします。