「ICTによるニュータウンの街作り拠点構築」シンポジウム

武蔵工業大学環境情報学部で開催された「地域とICT」に関するシンポジウムに参加した。

シンポジウムの概要は、以下の通り。

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本学部の「ICTによるニュータウンの街作り拠点構築」プロジェクトは2007年10月から2年半の予定で、文部科学省の現代GP(good practice)プログラムに採択されています。
このプロジェクトでは、第一に、独自開発のGPS携帯で参照、送受信も可能なGoogleMaps(電子マップ)などのWeb2.0 系の技術を利用して、学生主導で「街作り拠点」(情報共有と人的交流のプラットフォーム)をインターネット上に構築してきました。第二に、それを利用して発見・特定された街作り課題の解決に大学と地域が連携して取組み、その両方の実践を通じて、地域への貢献と社会的活動に根ざした新たな情報教育を実現する活動を行っています。
今回のシンポジウムでは「パネルセッション」としてまず、本プロジェクトのこれまでの活動を報告した後、本プロジェクトに関係の深いまちづくりの活動を展開されているNPO法人や大学の方々に、活動や本学との協働プロジェクトなどを紹介して頂きます。以上に加えて、「パネル展示」として、環境情報学部の現代GP関係の各研究室、および学生による地域や地域とICTに関連した研究、実践、システム開発のパネル展示も行います。
このシンポジウムを通して、将来的な地域、行政、他研究機関とのコラボレーションの可能性をひろげることができましたら幸いです。街づくりや地域情報、地域環境、Web2.0系の技術、学生の地域活動、こうしたことに関係した学習環境のデザインなどに興味のある方はぜひご参加ください。
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上野直樹先生の「社会的アーキテクチャ」をキーワードとしたプレゼンテーションは面白かった。アレクサンダーは建造物や空間デザインは人々の行動や認知を規定するまさに「アーキテクチャ」だと述べているが、これを(東浩紀さん、濱野智史さん、レッシグなどをひきながら、)情報システムもまた社会的アーキテクチャであると展開されていた。

特にWebシステムは、分散的なローカルどうしのサイトや人々の繋がりを可能にするものとしての社会的アーキテクチャである。またさらには、何かをデザインするということは、不可避に社会的アーキテクチャをデザインすることになるという。

NPO法人 I love つづきの岩室晶子さんは、以前DEE(教育環境のデザイン分科会)のシンポジウムでもご登壇していただいている。

現在 I love つづきでは、「ウエブタウンつづき3.0」と題した取り組みを行っているとのことである。これは街の人材、産業、環境などの地域資源を掘りおこし、多様でこれまでにない雇用または働き方の創出を手助けするというものである。

「仕事はあたえられるものではなく、みずからつくりだすもの」とは岩室さんの談であるが、豊かな発想である。またそのために、地域に関係する人なら誰でも机1つを安値で借りられるような場(職場)作りも実現しようとしている。このような場作りは面白そう。様々な価値観や軌跡を持った様々な人たちが机を並べている場から生じるアイディアや実践、この創発性はよいのではないだろうか。

また横浜コミュニティデザイン・ラボ常務理事/ヨコハマ経済新聞編集長の杉浦裕樹さんのプレゼンの中にあった、「他人ごとー自分たちごとー自分ごと」のコンセプトも響いた。これは「自分ごと」である「関心」を通して、「同じ関心」を共有する「他人」とのつながりを形成することを目指すものである。そうして、価値ある人、組織、拠点、プロジェクト等の「所在情報」を社会の「共有財」として、「自分たちごと」とする取り組みである。

関心でつながる小さな社会集団という考え方は今日的であり、また実社会もそのような状況に移行しつつあると思う。

加えて杉浦さんは、「できるだけ狭い空間での情報発信を考える」というアイディアを前面に押し出す方であった。これもまた面白い。TVをはじめとするメディアは広い空間に等しく情報発信することを目指すが、一方で(全てではないが)Web環境がそうであるように、狭い空間での情報を介した繋がりの形成は興味深い。