科学技術実践のフィールドワーク―ハイブリッドのデザイン

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上野直樹・土橋臣吾編「科学技術実践のフィールドワーク―ハイブリッドのデザイン」がせりか書房より出版されました。私は5章「オーディエンスの構築にみる映像コンテンツのデザイン」を担当させてもらいました。

1 ハイブリッドの理論
01 ハイブリッドの社会学 大塚善樹
02 参加型デザインにおけるハイブリッドな共同体と社会・技術的アレンジメントの役割 ミシェル・カロン/川床靖子訳

2 社会‐技術的な布置連関のデザイン(学習環境のデザインのためのネットワーク指向アプローチ
03 学習環境のためのネットワーク指向アプローチ 上野直樹・ソーヤーりえこ・永田周一
04 人工物を介した「参加する市民」の達成と失敗 中村雅子
05 オーディエンスの構築にみる映像コンテンツのデザイン 岡部大介・福田恵
06 企業家による翻訳戦略―アクターネットワーク理論における翻訳概念の拡張 松嶋登
07 アクターネットワーク論に基づいたイノベーションの記述 入江信一郎

3 生成/変化するエージェンシー
08 技術の位置決め 川床靖子
09 科学実践におけるブローカリングによるアイデンティティー形成 ソーヤーりえこ
10 ビッグプロジェクトにおける加速器研究者の学習―KEKBフィールドワーク 吉岡有文
11 インターネットを使い倒す―集合体としてのユーザーとヘビーユースというふるまい 土橋臣吾


以下の序章冒頭部からの引用に示されているように、この本は、状況論的アプローチの潮流をくみながら、近年のアクターネットワーク論や社会技術的アプローチに言及したものになります。また、フィールドワークに基づくデータに依拠した章も多く、コミュニティを記述する新たな視点や分析を示してくれています。

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以下本書冒頭部より引用

私たちは普段、人間や社会といった存在と、様々なモノや人工物、技術などを別のカテゴリーに属するものと考えている。これは、私たちの日常的な感覚であると同時に、社会科学と自然科学のあいだに明確な境界を設定してきた近代科学の前提でもある。だが、そうした区分は本当に妥当なものなのだろうか。人間とモノ、社会と技術は、かくも截然と切り分けられるものなのだろうか。やや唐突にも見えるこうした疑問は、しかし私たちだけのものではない。...アクターネットワーク理論、状況論的アプローチなど、主に1980年代以降に登場する幾つかの理論潮流は、いずれもそうした区分を疑うような場所から問いを立て、...豊かな成果を蓄積してきている。

では、このハイブリッドとは具体的に何を指す概念なのだろうか。...それは、人間とモノ、社会と技術が、互いに異質な存在でありながらも現実には相互に入り混じりながら、切り離すことのできない状態で存在しているといった認識を示している。

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